どうもmanabu-fitnessです。
倒立って上半身であげるイメージですが実際には、どの筋肉が使われているのでしょうか?
その筋肉がわかれば、そこを鍛えることで倒立が上手になるのでは?
そんなことを考えたのでまとめてみました。
今回はこのような人へ向けての記事となります。
・倒立が出来るようになりたいので使用されている筋肉が知りたい!
・その筋肉に効くトレーニングが知りたい!
それではいきましょう!
Contents
論文の内容
【理学療法学supplement 体操選手における筋活動の様式】という文献より引用させていただきます。
体操選手における競技中に行う倒立で、高い点数を狙うには身体を一直線にする必要があります。
倒立時は上肢で体を支えながら重心をコントロール必要があります。
今回の文献では体操選手の倒立姿勢と立位姿勢保持の筋活動を比較しています。
実験方法
実験の方法は以下となります。
対象は体操競技経験10 年以上の大学男子体操選手7 名とした.マット上で直立立位および倒立姿勢を3 秒間保持させた際の筋電図を測定した.倒立姿勢は実際の演技を想定し,できる限り身体を一直線にして静止させた.被験筋は右側の腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋,胸部脊柱起立筋(第9 胸椎レベル),腰部脊柱起立筋(第3 腰椎レベル),大腿直筋,上腕三頭筋,広背筋であり,表面電極を貼付した.立位,倒立ともに姿勢が安定した1 秒間の筋活動量を,等尺性最大随意収縮時の活動量で正期化した%MVCを算出した.各筋において,立位と倒立時の筋活動量をWilcoxonの符号付順位検定を用いて比較した.なお,有意水準は5%とした.
一言でいうと
ベテランの体操選手7名に出来る限り一直線な倒立を行ってもらい、倒立が安定したときのそれぞれの被験筋の関節運動を伴わない「静的」な状態での筋収縮を立位時と比較した。
という感じです。
立位時と倒立時の比較実験結果
【結果】腹直筋(立位:0.3 ± 0.1%MVC,倒立:6.5 ± 4.2”%MVC),外腹斜筋(立位:1.0 ± 0.4%MVC,倒立:6.4 ± 5.1”%MVC),大腿直筋(立位:0.6 ± 0.2%MVC,倒立:3.5 ± 2.2”%MVC),上腕三頭筋(立位:0.6 ± 1.0%MVC,倒立:13.5 ± 7.0”%MVC),広背筋(立位:0.5 ± 0.4%MVC,倒立:1.9 ± 1.3”%MVC)は倒立時の活動量が立位時よりも有意に大きかった.腰部脊柱起立筋(立位:4.7 ± 3.6%MVC,倒立:1.6 ± 1.2”%MVC)は立位時の活動量が倒立時よりも有意に大きかった.内腹斜筋,胸部脊柱起立筋に有意差は認めなかった.
立位時より倒立時に活動量が大きかった筋肉は
の5つとなりました。
脊柱起立筋に関しては立位時の方が活動量が大きく出ました。
内腹斜筋・胸部脊柱起立筋に関しては有意差はなかったとのことです。
倒立時に使用される筋肉のトレーニング
倒立時は上の5つの筋肉が立位時より優位に使用されていることがわかりましたが、
この筋肉を鍛えれば倒立をより安定させることができるのでは?
そんなことでそれぞれのトレーニングを説明していきたいと思います。
今回のトレーニングで重要になることは等尺性運動であることです。
等尺性運動とは上で説明したように、関節運動を伴わない「静的」な状態での筋収縮の事です。
筋肉を収縮・伸展させて筋肥大を狙うようなトレーニングではないので、筋肥大させたいのであれば今回のトレーニングとは別のトレーニングになります。
腹直筋トレーニング
足上げ保持
①床に仰向けで寝ます。
②仰向けのまま両足を揃えて踵を床から20cmほど離します。
③その状態をキープします。
ポイント
最初はキープする時間は短くていいので、出来るようになったら徐々に時間を伸ばしていきましょう。
外腹斜筋のトレーニング
サイドクランチ保持
①床に寝て横向きになります。
②下になっている手と足で体を支えます。
③腰が横に曲がらないようにお腹に力を入れて、下の写真のような状態をキープします。
④反対向きも同様に行います。
ポイント
腰が曲がってしまうと外腹斜筋への負荷だ逃げてしまうので、しっかりお腹に力をいれて姿勢をキープしましょう。
大腿直筋のトレーニング
椅子に座り足を伸ばし保持
①椅子に座ります
②その状態で両足を伸ばして地面に対して平行にします。
③足先を底屈させてしっかり伸ばしその状態をキープします。
ポイント
大腿直筋に力が入っていることを確認しながら姿勢をキープします。
上腕三頭筋のトレーニング
ダンベル保持
①床、もしくはベンチ台で仰向けで横になります。
②ダンベルを両手で持ち、地面に対して垂直に手を伸ばします。肘もしっかり伸ばします。
③その姿勢を保持します。
ポイント
倒立時に上腕三頭筋にかかる負荷は結構大きいので、それなりに重いダンベルで使用する方がいいかと思います。
広背筋のトレーニング
ワンハンドローイング保持
①ダンベルを片手で持ちます。
②ワンハンドローイングを行いますが、トップポジションでそのまま動作を止めます。
③その状態を維持します。
ポイント
ダンベルは姿勢を保持できるぐらいの重さで行ってください。
※ワンハンドロウイングがわからない方は、下の動画をご参照ください。
考察
倒立時と立位時の筋活動を比較した研究をもとに、効果的なトレーニングをいくつか挙げてみました。
トレーニングはあくまで、補助的に行うこととして、きれいな倒立がしたいのであればやはり倒立をやりこむのが一番の近道です。
あと個人的な感想として、脊柱起立筋って日常生活を行ううえでとても大切な筋肉なんだと思いました。
たまには倒立して脊柱起立筋を休めてあげようかと思います。
以上manabu-fitnessでした。