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成長ホルモンと運動強度(メッツ)の関連【論文】

筋肥大するうえで大切なホルモンといえば成長ホルモンがありますが、

成長ホルモンを分泌するうえで重要な要素に運動強度のメッツという単位があります。

これらの関係を研究した論文がありましたので、それについて触れていきたいと思います。

この記事はこんな人におすすめ

成長ホルモンと運動強度の関係について知りたい!

ではいきましょう。

Contents

運動強度(METs)と成長ホルモン分泌の関連について【引用元の論文】

今回引用するのはこちらの論文です。

運動強度(METs)と成長ホルモン分泌の関連について

こちらの論文を参考にしていきたいと思います。

そもそも 「運動強度・METs・メッツ」 とは?

 運動強度(運動の強さ)は、体重1kgあたりに身体に取り込まれる酸素の量が指標とされますが、酸素の量はわかりづらいため、メッツ(MET: metabolic equivalent)という単位が使われます。

 メッツとは、安静時の酸素摂取量3.5ml/kg/分を1としたときに、その運動で何倍のエネルギーを消費できたかで運動強度を示した単位です。

引用元:運動強度とエネルギー消費量/健康長寿ネット

実験方法

健常な学生 7 名に対し,運動強度(METs)の異なる運動を実施した。

運動前後の血中及び、尿中成長ホルモン濃度は高感度成長ホルモン測定法を用い測定した。

以下論文より引用。

運動負荷試験
運動強度(METs)と運動中の成長ホルモンの分泌を確認するため,3 METs,6 METs及び 10 METs強度の屋外歩行,トレッドミル歩行及びエルゴメータ運動をそれぞれ行った。
METsに合わせた運動時間や強度はエルゴメータと屋外運動においては,身体活動のメッツ表を参
考にし,トレッドミルはトレッドミルに設定されているMETsを参考に運動速度を決定した。
食後 2 時間以上経過後の被験者を対象に運動負荷試験を行った。
開始前に排尿をし,排尿後 30 分以上安静にした。
ついで運動負荷試験前に尿および指頭血を採取後,自転車エルゴメータ(エアロバイク 2100V)を用いたエルゴメータ運動,トレッドミル(XP70 LABORDO)を用いたトレッドミル歩行,屋外での歩行を行った。
3分間ウォーミングアップ(3 METs)後,6 METs 12 分,10 METs 6 分運動負荷を行い,1 分間のクールダウンをした。
運動終了後 30 分間隔で 120 分まで,サンプル(採血)の採取を行った。
また,運動後尿は,運動を開始して 120 分後に採取した。
血中乳酸濃度はラクテート・プロLT-1710(アークレイ社製)を用い,穿刺具にて指尖より採血を行い,運動前,運動開始 20 分後に測定した。

この研究ではそれぞれ3メッツ・6メッツ・9メッツの運動強度で以下の運動を行って比較しています。

  • 屋外歩行
  • トレッドミル
  • エルゴメーター運動

それぞれの運動と運動強度で成長ホルモン分泌がどのように変化したかを測定しています。

実験結果

運動における血中成長ホルモン分泌の経時変化
トレッドミル運動における成長ホルモン分泌の継時変化を検討した。
トレッドミル運動では,運動後 30 分をピークに以降漸減していた。
特に 10 METs運動ではその傾向が優位に顕著であった。

また,トレッドミルとエルゴメータでは,成長ホルモンの分泌は,運動後 30 分をピークに以降漸減していたが,校舎の外周歩行(屋外運動)では,90 分まで成長ホルモンの分泌が維持されていた。

さらに,10 METsのトレッドミル運動に傾斜(傾斜度10%,6.1 km/h)を設け筋肉に対する負荷を増やした場合,30 分後の成長ホルモンの分泌は,運動前に比べ有意な差がみられ,120 分まで分泌が増加し続けていた。

運動の種類による運動強度と血中成長ホルモン分泌の比較
3 METs,6 METs及び 10 METs強度の屋外歩行,トレッドミル歩行及びエルゴメータ運動における成長ホルモン分泌を比較した。
成長ホルモン分泌量は 30,60,90,120 分時の血中成長ホルモンAUCとして算出した。
運動の種類にかかわらず,3 METs,6 METs及び 10 METsと運動強度が増えるに従い,血中成長ホルモンAUCも増加した。
3 種類の運動をまとめた結果,10 METsのときに最も多い傾向が見られた。しかし有意な差は見られなかった。

各種運動による成長ホルモンの分泌量と乳酸の関係
トレッドミルと外周において,運動強度が増えるに従い,乳酸が増加傾向を示していたが,有意な差はみられなかった。
各種運動の成長ホルモンの分泌量をAUCで算出したものとその運動での乳酸の増加量の相関を検定した。
6 METsのエルゴメータの運動時において,相関係数は5%の水準で有意であった。

この結果からすると、

運動強度があがるにつれて、成長ホルモンの分泌量も増えるという結果になっています。

筋肉への刺激が強い運動ほど、成長ホルモンの分泌量も上がっていることがわかりました。

補足

今回の実験は被験者が7名という小規模な人数で行っているので、確定的な結果ではなくその可能性が高いということです。

また、研究結果では成長ホルモンの分泌量の個人差も大きく、

被験者の運動習慣の有無・筋肉量・検査前の食事のタイミングや内容など様々な要因によって起こっているものだと考えられます。

まとめ

今回の記事をまとめますと

成長ホルモンをより多く分泌したいのであれば、運動強度を意識してトレーニングを選択する。

ただ、これは確定的な結果ではないのであくまでも参考程度に

こんな感じですかね。

なので成長ホルモンを分泌したいなら、歩くより走る< 走るけど坂道を走る< 坂道を全力で走る

みたいな感じに運動強度をあげていくことが大切だということです。

以上manabu-fitnessでした。

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manabu fitness

性別:男  職業:看護師 趣味:筋トレ・読書・バスケ

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